2009年8月11日火曜日

「課題先進国」日本―キャッチアップからフロントランナーへ



東大の総長が、一体どんな本を書くのかと思って、かなりひねた目線で読み始めた。
ところが、この本は猛烈によくて、大当たり。
今後の日本と世界が直面する課題や、それに対してどういったアプローチで望むべきかを説得力ある、しかし煽ることのない文章で書いてくれる。気持ちいい読書。
特に、そういった課題に一足先に直面するであろう日本に対し、その課題解決することで国際的な立場を上げていけばいいじゃないという非常にポジティブな捉え方をしてて、読んですっきり。
日本一の頭脳をかき集める大学の人が、こうポジティブでいてくれたら、かなり安心というか、そこから集合知が発揮されるのじゃないかと素直に期待できた。
特に、ビジョン2050年を作るにあたり、前提となった今世紀の知のあり方が、とても参考になった。
理系の人が書いた、文系にもすごくわかりやすい、知的な良書。
東大のオープンセミナーとか、行ってみようかと思ってしまったほど。
この著者はおっかけてみよう。

2009年8月5日水曜日

思考の整理学 (ちくま文庫)



入試問題にこの思考の整理学の文章を見つけました。「時の試練とは、時間のもつ風化作用をくぐっているということである。風化作用は言いかえると忘却にほかならない。古典は読者の忘却の層をくぐり抜けたときに生れる。作者自らが古典を創りだすことはできない。」この部分が気になって購入したのですが、初版が20年前だったことを知り、とても驚きました。文章がまったく色褪せておらず、この本自体が、時の試練を越えているように思います。

よいアイデアは、ひらめいた時に書き留めること、そしてそれを一旦頭から外して寝かせること。そして育ってきたアイデアは別の場所に移すということが、著者の具体例と共に書かれていて、実用書として機能する良書だと思います。